「ついに、彼が家に来る……!」
付き合いたての初々しい時期、最大の難関といえば「初めてのおうちデート」ですよね。
自分大好きマインドで「私は愛される女」と決めていても、現実の私の料理の腕前は、お世辞にも「最高」とは言えませんでした。
まずは形から!ということで、普段はめったに炊かないアロマを焚いて、家中をピカピカに磨き上げました。
選んだ勝負服は、外デートのワンピースとは違う、リラックス感のあるふわふわで可愛い部屋着。
「いつもこんなに女子力高い部屋で過ごしてるんだよ」という、精一杯の演出。(そんなことないけれど)
でも、一番の問題は料理。
普段全く自炊をしないから、料理なんてできない…
けど家庭的だと思わせたい…私がとった行動は…なんと、実家の母を召喚すること!(片道1時間かけて来てくれました。)
キッチンに立つ母は、手際よく野菜を切りながらも口は止まりません。
「もう、こんなことで呼びつけないで自分でやりなさいよ! まったく!」
なんて呆れ顔で怒られながら、私は「お願い!今日だけは助けて!」と必死にサポート(という名の見学)
母の小言というスパイスが効いた「母直伝メニュー」を、さも自分がサラッと作ったかのようにテーブルに並べ、母が帰った直後に彼が到着。(危ない!!!)
チャイムが鳴り、急いで髪の毛を整え、リップを塗り、可愛い部屋着で彼を出迎えた時の、あの心臓のバクバク。(可愛いって思ってくれるかな………?)
テーブルに並んだ料理を見て、彼は目を輝かせて言ってくれました。
「えっ、すごい!こんなに美味しい料理、普段から作ってるの?」
その瞬間、私の頭をよぎったのは「うん、たまにね!」という可愛い嘘。
でも、やっぱり嘘はつけませんでした。
「……ううん、実は料理全然できないから、今日は母に来てもらって一緒に作ったの!」
正直に白状した私を見て、彼は「あはは、そうなの? 頑張ってくれたんだね、お母さん料理上手だね!」と、優しい顔で笑ってくれました。
見栄を張って完璧なフリをするよりも、「あなたに喜んでほしくて、お母さんの力まで借りちゃった」という素直な気持ち。
それが伝わったとき、二人の距離はまた一歩、縮まった気がします。
完璧な女性を目指さなくていい。
背伸びせず、一生懸命な自分をさらけ出す勇気が、彼に大切にされる秘訣なのかもしれません。
それにしてもドキドキしました………。お母さん、ありがとう。




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